なぜアクセス解析は必要なのか?-データドリブンな正しいビジネス戦略

Google Analyticsの普及率が日本の上場企業でも83%を超える現在。“アクセス解析”という言葉を聞いたことがない人のほうが少ないかもしれません。アクセス解析ツールには様々なタイプがありますが、Google Analyticsをはじめとするそれらのオンラインツールを使うと、主に以下のようなWebサイトに関するデータを得ることができます。

・ユーザー数(何名がそのWebサイトを訪問したか)

・ページビュー数(Webサイト全体のページが延べ何回見られたか)

・デモグラフィック属性(性別・年代)

・エリア(国・州・都市)

・流入経路(何を見てWebサイトに来たか)

・使用デバイス(PC・モバイル・タブレット)

・行動(Webサイトに何分滞在したか、購入や申込みをしたかなど)

マーケティング部署やIT部署を有する企業であれば、自社サイトにどこからどれだけの訪問があり、どんなページが見られているかを分析し、サイトのパフォーマンス向上のために日常的にそれらのデータを活用しているかと思います。特にECサイトを運営する会社であれば、販売の動向をリアルタイムで把握するのは大切なことです。

アクセス解析

しかし、アクセス解析の本質を理解してビジネスに活用できている企業はそれほど多くないように思われます。例えば、いくつかある製品ページのうち、1ページだけ問合せに至る件数が少ないとします。ウェブ担当者はその製品がもっと魅力的に見えるよう写真を追加し、特長の説明が目立つようフォントを大きくし、問合せボタンもページの上の方に移動。結果、問合せの件数はやや増加…するかもしれません。それら対応は間違いではないのですが、もしその問題の製品ページのデータしか見ていないのだとしたら、アクセス解析のデータ活用方法としては50点程です。

表面的な数字をなぞって小手先の手直しを繰り返しても、なかなか根本的な問題の解決にはなりません。逆にアクセス解析の本質を理解することは自社のウェブサイトのみならず、ビジネス全体を良い方向に導くことができる可能性を秘めています。

 

「新しいビーガン用の化粧品をリリースしたのですが販売が伸び悩んでいます。弊社としては、ビーガンが多いと言われる西海岸に力を入れて展開していきたいと思っているのですが…」

 

これは実際にLegitalのクライアントご担当者がプロジェクト開始前に仰った内容です。そのまま西海岸へ向けたプロモーションを実施する前に、まずは“ビーガンが多いと言われる西海岸がターゲット”という前提が正しいのかどうか検証するところから始めました。

アクセス解析2

販売サイトのアクセス解析を実施したところ、カリフォルニアからはアクセスはあるものの販売には至らないケースが多く、ポートランドやシアトルからのアクセスはほとんどないという状況でした。そこで販売サイト以外のリサーチをしたところ、ビーガン化粧品は意外にもネブラスカやネバダなどの内陸でも多く検索されていることが分かりました。さらに分析を進めると、西海岸の人たちはVeganという単語にLipstick、Protein、Soapなどを加えて非常に詳細な検索を行っており、つまり『西海岸には確かにビーガンが多いが、情報感度が高いため競合も激しく、無名ブランドがコストを掛けずに参入していくのはハードルが高い』という結論に至り、まずは南部や中西部での展開を提案しました。もう1例あげます。

 

「当社のシールプリンターは小さいサイズでも高品質で作れるのが強みなんです。アメリカの老舗企業P社をはじめとした競合が多い難しい市場なのですが、品質では劣らない自信があります。」

 

北米市場でなかなか知名度が上がらず苦戦されているメーカーより、SEO対策の相談をいただいた際にお話しされた内容です。こちらもアクセス解析をしたところ、ウェブサイトに来たユーザーが数秒の滞在、1-2ページ閲覧しただけで離脱していました。そこで北米での“Sticker Printer”の検索状況を分析すると、それらは”Cutting”という単語と一緒に検索されることが多く、メーカー側がセールスポイントと思っていた「小さいサイズでも高品質」ということよりも消費者のニーズは「カッティングができる」であることが分かり、その点がもっと目立つよう製品ページの修正に活用することができました。

アクセス解析3

また競合の想定についても再考が必要でした。競合とされたP社の解析をしたところ、アメリア国内のトラフィックスコアで100万ポイント以上の開きがありました。しかし大規模な予算投下はできないという先方の事情もあり、実際に”Sticker printer”を検索した場合に高スコアを獲得し上位に表示されるのは大半が印刷会社であることに着目。「これまで業者に依頼していたシールプリントが、社内で簡単に。」この打ち出し方の方がP社からシェアを奪うよりも可能性が高いと判断し、方向転換を推奨しました。この場合、競合はP社ではなく印刷会社ということになります。

 

これらはごく一部の例ですが、膨大な分析データの中から注目すべき情報とその活用方法、そもそもなぜ分析することが大切なのかが見えると思います。

・本当の顧客ニーズを知る

・本当のターゲットを知る

・本当の競合相手を知る

これらの情報を使い、データに基づいた正しいビジネス戦略を立て実行すること。これがアクセス解析の本当の目的です。リアルな顧客の姿をとらえ、真の競争相手の正体を見極めることで、本当に打ち出すべき商品の特長、自社サイトに載せるべきコンテンツ、伝えるべきメッセージが見えてきます。Webデザインや広告の手直しはあくまでその戦略の結果に過ぎません。

Google Analyticsをはじめとするアクセス解析ツールは無料で利用できるものも多く、導入すること自体は比較的簡単です。しかし実際にデータを見て分析するにはある程度の専門知識が必要となる上、かなり時間のかかる作業なので社内の他の業務と兼任で行うのは難しいケースがほとんどです。Legitalではアクセス解析とSEO対策を、月々のレポート込みで500ドルにて承っています。長期契約などの条件もありませんので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。