食料品・生鮮食品におけるオンラインショッピング市場

アメリカでの食料品・生鮮食品のオンライン購入は近年、急激に増加しています。大半のものがインターネット上で購入できるようになった今、Eコマース業界において食料品分野は残された数少ないフロンティアの1つと言えます。

Amazonが2007年にAmazon Freshをローンチ、2017年にWhole Foods(ホールフーズ)買収し本格的に食料品市場に参入し始めてから、流れは大きく変わりつつあります。ハイエンド層向けの高級スーパーだったホールフーズはAmazonに買収されて以降、Amazonの購入客の商品ピックアップや在庫管理、配送センターなど、物流の拠点としても機能するようになりました。競合のスーパーマーケットもこれに追随し、店頭とオンラインをクロスさせる独自サービスを提供し始めています。

食料品のオンライン購入は2020年までに70%に達すると予測するアナリストもおり、年々2桁成長を続けるオンライン食料品市場ですが、アメリカでの食料品総売り上げ額に占める割合は2018年でも実はまだ5%に過ぎません。下のグラフはMorgan Stanleyが実施した、食料品をオンラインで購入しない理由の調査結果です。

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最も多かったのは「食料品は実際に目で見て選びたいから」、次いで「スーパーで買い物するのが好きだから」となり、3位の「配送料が高すぎるから」を大きく引き離しています。どちらも店頭に行くことでしか満たされない消費者心理に見えますが、これらをカバーする取り組みもすでに始まっています。

2018年1月、Walmart(ウォルマート)は「Fresh Online Experience」またはFOEとして知られる3Dイメージングテクノロジーの特許を申請しました。まず買い物客がオンライン上で商品を選択すると、販売員はそれを店内で3Dスキャナを使いスキャンします。次に、3Dスキャナは買い物客に出荷する正確な商品の仮想3D画像を提示。消費者はそれを見てから受け取るかどうかを決めることができ、実際のスーパーマーケットに近い体験をすることができます。このように、消費者が抱く買い物に対する嗜好を技術が解決できるようになれば、オンライン購入の割合が過半数を超えることも遠い未来ではないのかもしれません。